武道に限らず日本の伝統文化と呼ばれるものは、まず「かたち(型)」から入り、上達につれ「心」が伴うようになるということが共通する特徴であり、日本人の気風を作り出した方法と言われています。
少林寺流空手道も「型に始まり型に終わる」を神髄とし、型の反復稽古によって身体を鍛え、心胆を錬る鍛錬法として継承されています。
当支部では喜屋武朝徳先生から仲里常延先生に継承された不変の「型」の反復稽古により「心」「技」「体」の三位一体の錬成を目指しています。
○心錬:精神修養・克己心・気力の錬磨
○技錬:武術の上達・勝負術の熟達
○体錬:身体の発育・体育の発展
Ⅰ.少年部
基本的な礼儀作法・マナーを学びながら稽古を行います。
特に「あいさつ・返事」「靴やスリッパをそろえる」「人の前を通らない」など基本的な礼儀作法・マナーを身につけます。
実技では基本や型の反復稽古によって身体を鍛えると共に我慢の心、集中力を養い、気合いを出すことで活力を増していきます。
体力作り・柔軟体操・約束組手・ミット練習・防具付き自由組手なども行います。
Ⅱ.一般部(高校生~成人)
それぞれの入門目的、年齢、体力などに合わせ稽古を進めます。
実技では沖縄空手の神髄である基本や型の反復稽古を主体に稽古し、自分のレベルに合わせ気拳体一致の境地を目指していきます。
必要に応じて約束組手・自由組手・体術・沖縄古武道も交えて稽古します。
※沖縄古武道は日曜稽古会等で少年部も含め希望者に指導しています。
求道館北海道支部稽古内容
Ⅰ.空手道
⒈基本
基本
⑴定置鍛錬(その場での基本稽古)
⑵移動鍛錬(移動しながらの基本稽古)
⑶運足(基本的な足運び)
⑷呼吸法(腹式呼吸・胸式呼吸)
⒉型
⑴少林寺流の型
①アーナンクー
少林寺流のみが継承している型で、1925年(大正15年)喜屋武朝徳先生が台湾へ武者修行で「あんぎゃ」の時、現地の達人より伝授された型で、手刀受け、双手受け、連続突き、猿臂の技が含まれ、最初に教授される型。
②セーサン
中興の祖松村宗棍(1809-1899)より伝えられた型で、前半は腹式呼吸を意識して行い(肩甲骨を下げ丹田に力を集中し)、呼吸と攻防の密接な関係を体得する鍛錬型である。後半は実践的な攻防を学ぶ。裏拳打ちや忍び足での前蹴り等の技が含まれている型。
②ワンシュー(汪楫)
独特の手刀受け、内受け、肩車の投げ技が含まれている型。
泊手の真栄田親雲上( ? - ? )より伝えられた。
④パッサイ(抜塞)
相手を誘い、掌底で顔面を攻撃、闇夜に忍び足で相手を探り位置を確認する技、足刀による関節への攻撃などの技が含まれている型。 泊手の親泊興寛(1827-1905)より伝えられた。
⑤ゴジューシホ(五十四歩)
手刀受け、背刀受け、連続貫手、羽交い絞めへの攻防、双手受けからの双手突きなどの技が含まれている型。
松村宗棍(1809-1899)より伝えられた 。
⑥チントー(鎮闘)
二段跳び蹴り,鶴の岩立ち(転身時の蹴り技)など高度の技が含まれている型。
泊手の松茂羅良興作(1829-1898)より伝えられた。
喜屋武朝徳先生が得意とした型。
⑦クーサンクー(公相君)
「空手に先手なし」の理念を最初の技で表現する。足刀横蹴りが随所にある総仕上げの型。少林寺流の型の中で最も長い型で、総仕上げの型。1761年公相君(クーサンクー)と称した中国武術家が北谷屋良に住んでいた屋良親雲上(1816-
? )から伝承された型を改良して作った型と言われている。
⑧徳嶺ヌ棍
少林寺流のみが継承している型で、棒の長さは六尺。連続受け攻撃、貫技や突き技を多用する型。 昭和初期、八重山に住む徳嶺親雲上の直弟子慶田花宜佐より伝えられた。
⑵その他の型
ナイファンチ・普及型Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・撃砕
⒊組手
⑴約束組手(約束一本組手・応用組手・型分解組手ほか)
⑵体術(護身術・短刀取りほか)
⑶自由組手(防具付きほか)
Ⅱ.沖縄古武道
棒術・釵術・トンファー術・ヌンチャク術・エーク術ほか